帰る場所と依存
時は流れていく。お前がいなくても。
抱いた体は徐々に硬くなり風が氷のように冷やしていく。
風が俺の中を翔けていった。
強さとか希望とか、キレイで大きなモノが羽ばたいて……
消えた。
逢わなくちゃならない。
俺の中核に位置する人に逢って確かめなくちゃならない。
生きる事と死ぬ事の選ぶ先にある真実は何方が正しいのかを。
お前は答えを持っているだろう?
お前以上に俺を知ってる奴はいない。俺以上に海堂を知ってる奴はいない。
データはあるんだ。答えを教えてくれ。
揺らす心のままに硬い体を地に寝かせ立ち上がる。
「行ってくるよ。必ず帰ってくるから、待っていてくれよ?」
上着を脱ぎ体に掛ける。涙を拭った手を一つ振り歩き出した。
俺は歩き出した先にある答えを知っていた。
だが逢わずに逝く事はできない。
目指す先は一人の導者の許。逢う為に理由がいる相手。
結局最期はお前に委ねる事を望んだ。
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